西尾市の土地がいくらくらいなのかを調べ始めると、地価公示、基準地価、路線価、固定資産税評価額と、名前の似た数字がいくつも出てきて、金額も揃いません。
揃わないのは、どれかが間違っているからではありません。決める機関も、基準日も、使い道も違うからです。ここでは5つの数字の違いと、西尾市の分を自分で調べる手順を整理します。書いたのは、公式ページと画面で確認できた内容だけです。
土地の数字は5種類あり、決める人も基準日も違います
数字 | 決める機関 | 時点 | 公式の説明での位置づけ |
|---|---|---|---|
不動産取引価格情報 | 国土交通省 | 取引の時期(四半期ごと) | 取引当事者へのアンケートをもとに公表 |
地価公示(公示価格) | 国土交通省の土地鑑定委員会 | 毎年1月1日 | 一般の土地取引の指標 |
地価調査(基準地の価格) | 愛知県知事 | 毎年7月1日 | 地価公示を補完し、価格審査の規準にもなる |
相続税路線価 | 国税局(所) | 1月1日 | 相続税・贈与税の評価の基準 |
固定資産税評価額 | 西尾市 | 毎年1月1日 | 固定資産税を計算する基礎の価格 |
実際に売買された金額に最も近いのは、いちばん上の取引価格情報です。残りの4つは指標や課税のための数字で、売値そのものではありません。売値の相場を知りたいだけなら、取引価格情報と、近くの基準地や標準地を見れば足ります。路線価と固定資産税評価額は、税の手続きで要るときに開けば十分です。
不動産の取引価格は、不動産情報ライブラリで西尾市を選んで調べます
国土交通省の不動産情報ライブラリは、取引価格や地価公示などの価格情報、防災情報、都市計画情報を見られるサイトです。取引価格情報は以前「土地総合情報システム」で公開されていましたが、令和6年3月末で同システムは廃止され、今は不動産情報ライブラリに載っています。
取引価格情報は、国土交通省が取引当事者にアンケートを行い、物件が特定できないよう加工して四半期ごとに公表しているものです。価格の補正は、数値の丸め以外していません。手順は次のとおりです。
- トップから「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」を開く
- 地域に愛知県、西尾市を選び、種類は「土地」、時期を指定する
- 「一覧表示」を押すと、町名ごとに取引総額、坪単価、面積、前面道路などが並ぶ
見るときの注意があります。所在地は町・大字までで、番地は出ません。取引総額は上位2桁、面積も200㎡未満は5㎡刻みに丸められています。国土交通省は、条件が同じでも取引の事情で価格が違うことがあると注意しています。
西尾市の土地を一覧にすると、同じ「住宅地」の区分でも、駅に近い市街地と、駅から遠い一色町や吉良町では坪単価の差がかなり大きいです。近い場所と近い広さの取引だけを拾って見てください。
「実勢価格」で調べる方もいます。国立国会図書館は、実勢価格を一般に市場での実際の取引価格や相場価格を指す言葉とし、土地の実勢価格を調べる情報源に不動産情報ライブラリを挙げています。
公示地価と基準地価の違いは、実施する機関と基準日です
検索では「公示地価」「基準地価」と書かれることが多い数字ですが、公式ページでの名前は「地価公示」と「地価調査」です。
- 地価公示:国土交通省の土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点の価格を3月に公示する。2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を審査して決める
- 地価調査:愛知県知事が、毎年7月1日時点の価格を9月中・下旬に公表する。愛知県の説明では、1人の不動産鑑定士の鑑定評価を求めて審査する
公示価格は、建物がある土地でも更地として評価した、標準的な土地の1平方メートル当たりの価格です。この2つは補い合う関係で、国土交通省は、一部を共通の地点にして半年ごとの地価の動きを見られるようにしていると説明しています。
西尾市の分は、不動産情報ライブラリの「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」で、愛知県西尾市と調査年を選んで探します。令和8年で検索すると、地価調査の基準地「西尾-1」などと、地価公示の標準地が並びました。令和8年7月1日時点の価格は、寄住町の「西尾-1」が1平方メートル当たり116,000円、吉良町富田の「西尾-3」が30,200円でした。同じ市内でも、場所によって3倍以上違います。ただし地点の価格で、市の平均ではありません。平均は、愛知県の地価情報のページの資料にあります。
路線価と固定資産税評価額は、課税のために決められた価格です
路線価は国税庁のサイトで見られます。国税庁は、相続税や贈与税の申告のために、国税局(所)が毎年、路線価と評価倍率を定めて公開するとしています。評価時点は1月1日で、地価公示価格等を基にした価格の80%程度が目途です。令和8年分は7月1日に公開されました。
調べ方は、財産評価基準書のサイトで、年分、愛知県、路線価図と進み、西尾市を選びます。町丁名の索引から場所を開くと、道路ごとの1平方メートル当たりの価額が千円単位で出ます。令和8年分の一覧では、西尾市は路線価図にも評価倍率表にも載っています。路線価がない地域は評価倍率表を見ます。土地の固定資産税評価額に地域ごとの倍率を掛ける方法です。
その固定資産税評価額は、毎年1月1日の所有者に課す固定資産税の基礎になる価格です。総務省の説明では、土地と家屋は3年に一度評価が見直され、宅地は地価公示価格などの7割を目途に計算します。西尾市の案内では、地価公示価格、地価調査の価格、不動産鑑定士の鑑定評価を活用して標準地の時価を決め、そこから固定資産税路線価を付けています。
ご自分の土地の評価額は、毎年4月ごろ西尾市が送る課税明細書で分かります。土地の固定資産税路線価図は、市役所の税務課土地担当の窓口で、手数料も申請書もなしで閲覧できます。土地担当の電話は0563-65-2126です。
査定額は、これらの数字そのものではありません
国土交通省は、公示価格を、取引したい土地と駅からの近さや道幅などを比べて、おおよその価格を判断するための数字と説明しています。実際の取引は、土地の特性や取引する人の事情で、公示価格より高い場合も低い場合もあるそうです。
5つの数字は、どれもあなたの土地を見ずに出されています。角地か、道路にどう接しているか、形はどうか。こうした違いで、近くの基準地や取引事例と同じ金額にはなりません。
JA.lifeの査定は、取引事例を並べるだけでなく、現地を自分で調査し、調査報告書で根拠をお見せしています。公的な数字は、その根拠を確かめるときの物差しになります。査定書の数字の読み方は、査定書の見方の記事にまとめています。
参考資料
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 国土交通省「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の制度や用語の説明」
- 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」
- 国土交通省「地価公示・都道府県地価調査の検索」
- 国土交通省「地価公示」
- 国土交通省「地価公示制度の概要」
- 国土交通省「ここがポイント地価公示:POINT-2 土地の取引事情」
- 国土交通省「ここがポイント地価公示:POINT-3 公示価格ってどんな価格なの?」
- 国土交通省「ここがポイント地価公示:POINT-4 地価公示をじょうずに使おう!」
- 愛知県「愛知県地価情報(地価調査・地価公示)」
- 国税庁「令和8年分の路線価等について」
- 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(令和8年分)」
- 国税庁「路線価図の説明」
- 総務省「固定資産税」
- 西尾市「土地の評価の仕組み」
- 西尾市「固定資産税・都市計画税の概要」
- 西尾市「固定資産税路線価図の閲覧」
- 西尾市「自分の所有する土地・家屋それぞれの評価額を知る方法はありますか?」
- 国立国会図書館「実勢地価の調べ方」
制度・窓口情報は2026年10月13日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。




